400人余りを収容する沖縄刑務所。規律に従い行動する受刑者の傍ら、集団と切り離された受刑者たちがいる。高齢受刑者や知的障害を抱えた受刑者たちだ。その中には、罪を重ねる「累犯者」が少なくない。出所後、身寄りも福祉の支えもなく、孤立した結果、生きるため、あるいは自制できずに罪を犯し、刑務所へ戻ってくるのだ。 罪を犯した弱者たちが、出所後、福祉の支援を受けられるよう、刑務所と福祉の懸け橋となる「地域生活定着支援センター」の設置が、全国で始まった。先駆的役割を果たす長崎県のセンターでは、罪を償い出てきた弱者を地域の福祉で支えようと、関係者に協力を呼びかけ、試行錯誤を重ねている。受け皿探しなど難航する事も多いが、職員の伊豆丸剛史さん(34)は、「これまで雑に扱われてきた人たちだからこそ、きめ細かい支援を届けたい」と強調する。 一方、沖縄では、依然、受け皿が整わず、ボランティア団体が、出所後の行き場がない弱者を受け入れている現実がある。十分な支援体制がない中、目を離したすきに、再び罪を犯し、刑務所に戻る知的障害者も少なくない。罪を犯した弱者たちは、今、どのような環境にさらされているのか。
制作局:RBC琉球放送
担当ディレクター:野沢周平 |
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