インタビュー

スペシャルドラマ『LEADERS Ⅱ』2017年3月26日(日)放送

インタビュー 内野聖陽さん

LEADERS2の話を聞いた時の感想は?

写真 前作はDVDで見させていただきましたが、話が進むにつれグイグイ引き込まれまして、これはすごく熱いドラマだなと、男として惹かれるものがあると感じました。前作は車を作る男たちとその苦闘の物語でしたが、今回はそれを売る方にも焦点を当てるということを伺い、そんな男たちの仲間に入って一緒にやりたいなと、すごく強く思って参加させていただきました。
実話に基づいたドラマということで、本当にあの当時頑張った人たちがいたからこそ、今の車社会があると思うと、街を歩いていて車の販売店などを見かけると、感慨深いものがあります。昭和9年から始まる物語なのですが、その当時というと外国車がマーケットの9割を占めていたそうで、そんな時代に“アメリカに追いつけ追い越せ”というパワーで生きてきた男たちですから、ある意味ライバルというか大きな敵がいたということが、彼らの強いパワーの源なのだろうなというのは強く思いました。それと戦争ですよね。そこからくじけず立ち上がっていく、そのパワーがあるのだなと感じました。

演じられた山崎という男はどんな人物でしょうか? またその魅力というと?

写真 山崎は、最初はアメリカ車のGMの販売店なのですが、どこかしら現状に満足していないフラストレーションを抱えているのだろうなと思っていて、そんな中での愛知佐一郎との出会いは、初めて同じ志や夢を抱ける同士と出会えた感覚を持てたことだと考えています。山崎にとって本当に人生最大の出会いをしたと思うので、その部分は大事にしながら演じていました。
良い車を販売したいという情熱はもちろんですが、自動車メーカーの人間にはない、リアリストな部分を持ち合わせていると思います。メーカーの方々が普段接しないお客さんに対して、いちばん接しているディーラーの人たちというのは、お客さんの生の声をダイレクトに受けているわけですから、もしかすると、モノづくりの現場よりももっとシビアな現実の圧力や風圧を受けている。そんな厳しさがあると思うんです。
ドラマの中でも、そんな厳しさがにじみ出ているシーンがいくつか描かれていますが、そういうところは鬼の山崎でいこうと大事にしました。要するに、お客さんの命を預かるものだということを誰よりも分かっている人だからこそ、いちばんお客さんの車生活へのニーズが分かっている人なのでしょうね。

初共演となる佐藤浩市さんや東出昌大さんの印象というと?

写真 前作の「LEADERS」の浩市さんを見て、まずは素晴らしいなと思いました。まさしく男が惚れる男という感じでしょうか。そんな気持ちもあり、僕も本作に参加させていただきましたが、浩市さんは本当に兄貴のような存在なので、販売店の山崎と社長である佐一郎さんとの関係性についても、とてもすんなりと作ることが出来たと思います。
東出さんは、本当に素直というか真っ直ぐっていうか、気持ちのいい人ですね。山崎が販売店でGMから鞍替えしてアイチ自動車の国産車を売りたいと言い出したとき、社員はみんな辞めてしまい、東出さん演じる日下部だけが一人残るというくだりがあるのですが、彼は男の意地みたいな部分をすごく大事に演じてらっしゃいました。とても素敵な部下、頼もしい部下でしたね。

福澤監督の印象というと?

初めて一緒に仕事をさせていただきましたが、ドラマの枠にはまらないスケール感はすごく感じました。描き方がものすごくダイナミックなんです。
今回このお仕事いただいて、台本読んで感じたことが、このドラマはある意味“大人の紙芝居”なのかなということ。その気持ちを作家の方に伝えると「この上ないほめ言葉です」とおっしゃってくれました。紙芝居が幼稚なものということではなくて、大人が楽しめるような、非常に熱くて焚きつけられるものがあるという意味で、このドラマは紙芝居だという感じがしています。

撮影現場で印象に残っていることやロケの思い出は?

写真 ロケは、兵庫県の赤穂から奈良県、愛知県は豊川などなど、もういろんなところに行きました。まさか奈良の大仏さんの真下で芝居をするとは思わなかったです(笑)。それから、地方には木造の梁がいっぱいあるような、趣のある工場が結構残っていることを知りました。なんでこんな遠くまで行ってロケをするのだろう? なんて思うこともありましたが、本当に素敵な工場が残っていてびっくりしました。それを監督が上手に撮られているので、放送ではそれも楽しみのひとつだと思います。
上海のオープンセットでの撮影も初めての経験でしたが、あれはすごかったですね。路面電車が普通に走っているし、ある意味、遊園地のような感じです。大勢のエキストラの方に集まっていただき撮影が行われましたが、現地の人たちなので聞こえてくるのはもちろん中国語。でも、設定は名古屋の町ということで「ここはどこだっけ?」と思うこともありましたが(笑)、監督がスタートをかけると一斉に町が動き出して、戦前の日本がいきなり立ち上がってくるような感じでした。不思議な体験でしたが、画面では本当に日本の当時の風景が蘇ってくると思います。

内野さんが考えるリーダー像とはどのようなものでしょうか?

あまり考えることはありませんが、自分の中では、たとえ実現不可能なことであっても、先見の明がないと言われていても夢見続けること。言葉で言うと恥ずかしさも感じますが、そういう気持ちを持っていることが、リーダーにとっていちばん大事なことじゃないかなという気はします。福澤監督を見ていてもそうですし、良い作品を作りたいというのは多分それと同じことだと思うので、そういうものを常にくじけずに持ち続けるというのが、僕にとってリーダーになる条件の一つではないかと思います。

視聴者の方々に注目していただきたいポイントというと?

とにかく、撮影をしていた僕ら自身が、どのような画になっているのかほとんど分からず、福澤監督の画作りを僕自身も楽しみにしているので、まずはテレビ画面から迫力を感じ取ってほしいです。また、ここまでたくさんのロケを行ったのも初めてでしたので、スタジオのセットだけでは見せられないとても美しい画がたくさん撮れているはずなので、ぜひそんなところも楽しみにしてほしい。
とにかく、これは男が見たら燃えるであろう話ですし、もちろん女性が見てもいいなと感じていただけると思います。日本の車の黎明期に、こういった男たちが実際に存在して、だからこその今があるということも含めて、パワーや勇気がもらえるような作品になるはずだと思うので、ぜひぜひ楽しんでいただければと思います。

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