放送内容
カナダ西部アルバータ州にあるライティング・オン・ストーン州立公園は、ミルク・リバーの渓谷沿いに広がっている。川岸には高さ15mほどの断崖がそそり立ち、その上に奇妙な形の石の柱が林立する。石の柱は「フードゥー」と呼ばれ、キノコ形に浸食されたもの。ここを聖地とする先住民族ブラックフットは一つ一つのフードゥーに魂が宿ると考えている。彼らは2000年にわたり、断崖に彼らの歴史や記録を壁画として刻み続けてきた。
奇岩の柱 フードゥーの謎
そそり立つ断崖の上に立ち並ぶキノコのような形をした石の柱。このような石の柱を北米では「フードゥー」呼ぶ。フードゥーはかつて堆積してできた砂岩が風雨や乾燥により風化、上にある固い砂岩の層が下の柔らかい層を守ることで不思議なキノコ形となった。
断崖に2000年前の壁画
この場所を聖地とする先住民族ブラックフット。フードゥーは彼らにとっては一つ一つに魂が宿る聖なる存在でもある。彼らは2000年前から断崖に壁画を刻んできた。彼らの生活に欠かせなかったバイソンや、狩りをする戦士、武器を持つ戦士の姿などが残る。
氷河が生んだ 聖なる谷
3つのエリアに分かれている公園。その一つには渦を巻くような渓谷がある。現在は季節的な水流しかない渓谷だが、かつてこの一帯を覆っていた厚さ1キロにも及ぶ氷河が溶け出し大地を削ったことで生まれた。先住民族はここにも壁画を残している。