放送内容
メキシコ南部、標高1500メートルに位置するオアハカの街。16世紀にスペイン人に征服される前には先住民サポテカ人の街だった。彼らが残した驚くべき遺跡が町から10キロの山の上にある。中央アメリカで最も古い天空都市、モンテ・アルバン。その起源は2500年以上前に遡り、最盛期には25000人が暮らしていたと言われる。山頂を平らにならした中央広場を中心に20以上の宮殿やピラミッドが建ち並び、高度な文化を花開かせていた。
驚異のピラミッド群
「踊る人々のピラミッド」にはマヤ文明へと繋がる中央アメリカ最古の文字が残る。太陽や月を観測していた「天文台」や、太陽光を内部に採り込み農作業の時期を知らせる装置のピラミッド、ボールを天体に見立てて競技した「球戯場」など古代の叡智がみられる。
もうひとつの天空都市
モンテ・アルバンの最高権力者たちが移住して築いた天空都市アツォンパ。ピラミッド内部の埋葬室からは「球戯場」を描いたとされる彩色壁画や、王族の副葬品としての男神・女神像が見つかった。栄華を誇ったアツォンパはやがて打ち捨てられてゆくこととなる。
メキシコで最も美しい街
スペイン人によって造られたオアハカの街の、その中心には100年かけて完成したサント・ドミンゴ聖堂が建つ。この地の先住民が持っていた優れた金細工の技術が聖堂内部の金箔で覆われた見事な祭壇に活かされ、スペイン人の文化とここで融合したのである。