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2019年2月3日放送
グヌンムル国立公園

鋭く尖った針の山

川をボートでさかのぼり、森を抜け、岩だらけの山を登ってピナクルという奇岩にたどり着きます。それは石灰岩を雨が溶かしてできた針のように尖った石の群れです。今回、小型ドローンを飛ばして上空から撮影を行いました。針先まで近づく迫力の映像です。

迷路のような洞窟

石灰岩の山には無数の洞窟があります。洞窟は網目のように広がっているだけでなく、上へ上へと延びているといいます。それはグヌンムルの大地が今も隆起し続けていることと関係があります。我々は洞窟を流れる川から、上へ上へと洞窟を登っていきました。

空を駆ける竜

グヌンムルにはユニークな生き物がたくさんいます。森には巻いてパイプ状になった葉っぱの中に住む珍しい小さなコウモリ。洞窟には200万匹のコウモリが住んでいます。夕方になるとエサを求めて集団で飛び立ちます。それは空を駆ける竜のようです。

マレーシアのボルネオ島の北部にグヌンムル国立公園はあります。グヌンムルとは標高2377mの「ムル山」のこと。500万年前に海底の石灰岩層が隆起したのち、その上に森ができました。森では擬態をする昆虫など珍しい生き物に出会えます。また山の中には洞窟があり、迷路のようにつながっています。総延長はなんと約300km。針のように尖った奇岩も。多様でユニークな生態系と景観の美しさが世界遺産登録の決め手となりました。

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