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2009年4月26日放送
日本の古都スペシャルII〜絢爛たる美の殿堂(京都・二条城)

近世初頭の武家建築の遺構、二条城と二の丸御殿書院群。
その端正な佇まいと贅を凝らした内部構造の見事さ。

狩野派の障壁画。二の丸御殿各室に施された絢爛たる障壁画は桃山文化の粋を集めたものである。金箔と濃厚な彩色を用いた金碧画の世界は日本美術の収穫である。

名古屋城、神泉苑、大覚寺などもあわせて紹介する。

関が原の合戦で勝利をおさめた徳川家康は1602年、京の都に二条城の造築を開始した。
秀吉に代わる天下人として王城の地・京都に自らの拠点を設け、朝廷はもとより諸国諸藩に徳川家の権威を示すのが目的であった。さらに1626年、三代将軍家光は後水尾天皇行幸に先立って、大規模な改修を命じた。この時、狩野探幽をリーダーとする狩野派の絵師集団が二の丸御殿内の障壁画を担当、およそ2年で描きあげた。これらの作品群は寛永期日本美術の傑作であると同時に桃山様式を今に伝える貴重なものである