JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2022年03月放送

2022年03月29日放送
〜残留日本兵 横井庄一と妻〜

恥ずかしながら

制作:CBCテレビ

1972年。高度成長をとげた日本に突然伝えられたグアム島にいた残留日本兵 横井庄一発見のニュース。
日本中が沸き立った。横井は羽田空港に2月2日に降り立った。
当時の厚生大臣にたいして「恥ずかしながら生きながらえておりました」と伝える。
「恥ずかしながら」は1972年の流行語となった。
番組では、当時グアムから発見第一報を伝えた横浜市在住の男性。
そして、「グアムの戦い」最後の生き残りとされている岩手県の男性に、横井庄一の発見時のニュースを当時どう受け止めのか、自らの様々な体験を語ってもらう。
そして、93歳の妻・横井美保子になりかわり山根基世氏の語りでつづる。

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2022年03月22日放送
〜御城(うぐすく)の漆職人〜

伝統、紡ぐ

制作:RBC琉球放送

森田哲也(もりた・てつや)さん。地元・滋賀県から脱サラして沖縄へ移住。漆の世界へ飛び込んで15年目の中堅職人だ。
森田さんは2006年に行われた大規模な漆の塗り替え作業に携わった。このとき29歳、職人1年目。右も左もわからない森田さんは首里城で先輩職人から「生きた技術」を学んだ。以来、これまで行われてきた首里城の定期的な漆の塗り直し作業に携わっている。

「首里城があったから自分はここまで漆をやってこれた」
だからこそ、漆を次の世代につなげたい気持ちは人一倍強い。これが原動力となり、ことし、森田さんは新たな工房「漆芸舎伍(しつげいしゃ・ご)」を立ち上げた。伍では、日常生活で漆を身近に感じてもらえるよう、住宅の壁やランプシェードなどの現代建築やインテリアを扱う。共同代表は島袋亜希子(しまぶくろ・あきこ)さん。彼女もまた、漆業界の雇用を生みたいという思いを持つ職人の1人だ。

沖縄が琉球王国だった時代、東アジアの人々や文化が行きかうハブ的役割を担っていたように、漆と人、人と人がつながる場所をつくりたい。伍には2人のそんな思いが込められている。漆の可能性を切り開きながら伝統を次の世代へつなぐ、彼らが体現する新たな伝統継承のあり方を追った。

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2022年03月15日放送
〜いのちの島・奄美〜

世界自然遺産登録 つなぐ

制作:MBC南日本放送

世界自然遺産登録が決定した奄美大島と徳之島。
貴重な固有種が命をつなぐ2つの島では、人の営みに
近い自然の中で、さまざまな生き物たちが暮らしています。
世界的に注目される「生物多様性」。稀少な動植物を育む
豊かな森は、日々、違う表情を見せてくれます。カメラが
捉えた奄美ならではの自然と生命の輝き、自然に寄り添い、
見守る人々・・・未来へつなぐ「島の宝」を見つめます。

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2022年03月08日放送
〜自閉症の画家、石村嘉成の挑戦〜

天国の母と描いた動物たち

制作:RSK山陽放送

「きょうはいい天気ですね」
動物に話しかけるように絵筆を走らせる青年の姿が、池田動物園にありました。
個展を開けば会場の動員記録を塗り替える新進気鋭の画家・石村嘉成(よしなり)さんです(27歳・愛媛県新居浜市在住)。嘉成さんは自閉症です。
「何が何でも私が立派に育ててみせる」深い愛情でときに厳しく育てたのが母親の有希子さんでした。四六時中、嘉成さんと過ごし、学校生活も毎日教室まで付き添いました。しかし病に倒れ、40歳の若さで他界。残された嘉成さんは、まだ小学5年生でした。
嘉成さんは版画に興味を示し作品が評価されるように。油絵にも活躍の場を拡げ、才能を開花させました。嘉成さんがすすんで描くのが動物園の動物たちです。「息子は母に褒められたいのかもしれない」と父親の和徳さんは言います。なぜなら、動物園は嘉成さんが有希子さんに手を引かれ何度も通った母との思い出の場所なのです。
嘉成さんは新作に取り掛かりました。題材は、今春 池田動物園にやってきたアミメキリンのサンタロウです。父・和徳さんは池田動物園を訪ねたあと、嘉成さんを高知県の のいち動物園へ連れてゆきました。そこはサンタロウの故郷、親キリンのリンタロウとジャネットがいるのです。天国の母・有希子さんの魂が宿るかのように生き生きとキャンバスを走る絵筆。新たな動物たちが私たちに語りかけてくるものとは。

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2022年03月01日放送
〜御幸森小学校 半年間の記録〜

ソンセンニムと子どもたち

制作:MBS毎日放送

「自分の根っこをしろう!」「正しく生きよう!」
教壇に立って30年余り、在日コリアン3世の民族講師、洪佑恭(ホンウゴン)さんは、この春も手作りの色紙を卒業生に手渡し、自分に偽らない人生を送ってほしいと願いを込めた。舞台は、大阪市生野区の市立御幸森小学校。全児童75人の小さな小学校は2021年3月、97年の歴史に幕を下ろした。御幸森には、自らのルーツや文化を学べる課外活動「民族学級」があり、洪さんはその指導の中心的存在。学校も一丸となり「心の中に平和の砦を築く」ユネスコ憲章に沿う「多文化共生教育」を続けてきた。コリアンルーツの子もそうでない子も、洪さんを「ソンセンニム」(先生)と呼んで慕っている。

閉校までの大切な1年にコロナ禍が襲いかかる。行事が次々中止され、親や地域の人も楽しみにする民族学級発表会は2度も延期に。涙ぐむ子供たち。苦悩する洪さん。それでも、子どもたちとソンセンニムは、学びあい、ぶつかりあい、お互いの思いを寄せあってゆく。別れの日、校門を出ても、帰ろうとしない子供たち。

人生の根っこを作る教育とは何なのか。大阪の公教育のシンボルだった小学校の閉校までの日々を丁寧に追って問いかける。

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