2017年10月期連続ドラマ

足と靴と健康に関するエトセトラ

外国の靴サイズを知ろう! その3

ドラマの中で「アトランティス」というアメリカ資本の会社が出てきますが、実は私も以前にアメリカのフットウエアブランドの会社に在籍していました。たいへん歴史のあるブランドでしたが、私の在籍中は同じアメリカの、大手スポーツメーカーの傘下でした。その後、売却されて現在はイギリスのファンド会社が親会社になっています。ちょっと話がそれましたが、当時、そのブランドのショップをラウンドしてセールススタッフのトレーニングを担当していた時期があったのですが、自社のブランドンであるアメリカの“靴のサイズの仕組み”について理解しているスタッフはほとんどいませんでした。裏を返せばそれだけ分り難いサイズシステムだということです。
イギリスとアメリカの長さの単位は「インチ」で、1インチは2.54㎝、そして靴の1サイズは1/3インチ(約0.85㎝)ハーフサイズは1/6インチ(約0.43㎝)、サイズシステムは「靴型サイズ」というお話をしました。
EURサイズや日本の靴サイズは、最初はゼロから始まり、EURであれば36、37、38・・・日本サイズなら25、26、27㎝というように順に大きくなっていきますが、イギリス、アメリカサイズはそうではないのです。
下の図(シューフィッター養成講座プライマリーコーステキストより)を見てください。
イギリスは4インチ、アメリカは3・11/12インチのところがスタート位置のゼロ地点になっています。

イギリスとアメリカのスタート位置の違いは諸説ありますのでここでは触れませんが、その差はわずかですからスタート位置は4インチ(約10㎝)と考えて下さい。ここから1、2、3・・・13までサイズがあり、また1、2、3・・とサイズがあがっていきます。たいへん複雑で分かり難いですよね。種明かしをしますと最初の4インチまでは幼児のサイズ、次のサイズ13までは子どものサイズ、そして次が大人のサイズと3段階に分かれているのです。ですからUSサイズやUKサイズはその数字に靴の1サイズ(1/3インチ=0.85㎝)を単純にかけても正しい長さ(靴の実寸)は導き出せません。
例えばUSサイズで7の靴の実寸を出そうとすると、最初に4インチ(10㎝)、次に0〜13サイズ(13×0.85㎝=約11㎝)そして次の0〜7サイズ(7×0.85㎝=約6㎝)、この3つを足すと27㎝になります。この靴がメンズであればつま先の余裕に2㎝必要ですから、27㎝から2㎝差し引くと25㎝になります。つまりUSサイズの7は25㎝の足長の人が履ける靴ということになります。
実際はこんな計算はしませんし、店頭のセールススタッフは25㎝の男性が来ればサイズ7をおすすめします。ある程度のサイズ対応を接客から学んでいるからです。またショップによっては写真のような計測器を使うこともあります。これはブランノックデバイスと言ってアメリカで開発された計測器です。足を載せてつま先の数字を読めばサイズがわかります。USサイズ、UKサイズ、メンズ、ウイメンズ、チャイルドなどがあり、用途に応じて使い分けます。

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著者プロフィール

木村克敏(きむら かつとし)
1965年生まれ、東京出身。
東洋大学経済学部卒業後「株式会社かねまつ」入社、ショップ店長、オーダーサロンマネージャー、銀座本店副支配人を務める。その後「コールハーンジャパン」へ転職、ストアマネージャーを経てスーパーバイザー、ショップトレーナーとなる。
6年前より「一般社団法人足と靴と健康協議会(FHA)」の事務局長を務める。現在はシューフィッターの養成講座の運営の傍ら、一般消費者への啓蒙活動の一環として講演活動等も行っている。
上級シューフィッター(バチェラーオブシューフィッティング)の有資格者。

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