2017年10月期連続ドラマ

足と靴と健康に関するエトセトラ

シューフィッティング 〜靴合わせのチェックポイント〜

足に合った靴を選び、履き心地をチェックすることを「シューフィッティング」と言います。できればシューフィッターに靴を選んでもらい、足との相性をチェックしてもらうのがベストですが、今回はご自身でセルフチェックできるよう、シューフィッティングのポイントについてお話します。きつくて痛い、ゆるくてブカブカではいけません。まずは正しく足に合った靴サイズを選択していることが大前提です。紐靴の場合は紐をしっかり締めた状態で、目で見て、実際に手で触ってチェックしていきます。

  • ・足の爪先が靴の先端や上にあたっていないか、靴の爪先に余裕はあるか
    これは「捨て寸(すてすん)」といって、紳士物の革靴であれば2㎝くらい、婦人物のパンプスなら1㎝くらいの余裕が必要です。これが少ないと歩いた際に足の爪先が靴の先端にあたって爪を痛めたりする原因になります。
  • ・足と靴のボールジョイントが合っているか
    足のボールジョイントは、関節部分なので曲がるところです。一方の靴のボールジョイントも屈曲する部分です。足の曲がるところと靴の曲がるところの位置が合っているかをチェックします。また、この部分がきつ過ぎたり、ゆる過ぎたりしていないかも同時にチェックします。
  • ・足と靴のアーチラインが合っているか
    足のアーチは土踏まず部分で、靴のアーチは靴の内側部分のカーブです。
  • ・足の甲の部分が圧迫されていないか
    紐靴の場合は羽根の開き具合も見ます。羽根は靴紐が通る部分のパーツでV字にカットされたような「内羽根」と羽根が平行になっている「外羽根」の2種類のデザインがあります。程よくフィットしている状態は内羽根であればV字の上の部分が1㎝以内、外羽根も1㎝くらい開いているのが目安です。どちらのタイプも羽根が重なったり、閉じてしまったり、逆に開き過ぎてしまったりしていないかを目で見て触れてチェックします。
  • ・トップラインが開かないか、ゆがみがないか
    トップラインとは履き口で、パンプスの場合はスロートという指の付け根部分が接する部分の甲の収まり具合をチェックします。具体的には甲が圧迫されてモッコリしていないか、逆にすき間があいていないかなどです。
  • ・踵の重心は正常か
    足の踵が靴のかかとの上にのっているか。特にパンプスなどヒールの高い靴は注意が必要です。
  • ・踵部分にすき間がなく、食い込まず、適度にフィットしているかをチェックします。

そして一番大事なことは歩いてみることです。履いただけでは感じなかった圧迫や痛みがないかをチェックします。少しでも違和感がある場合は他のデザインやモデルを試してみましょう。靴はある程度は履き馴染むものですが、違和感のある靴は後にトラブルが起きる可能性もありますので気を付けましょう。

著者プロフィール

木村克敏(きむら かつとし)
1965年生まれ、東京出身。
東洋大学経済学部卒業後「株式会社かねまつ」入社、ショップ店長、オーダーサロンマネージャー、銀座本店副支配人を務める。その後「コールハーンジャパン」へ転職、ストアマネージャーを経てスーパーバイザー、ショップトレーナーとなる。
6年前より「一般社団法人足と靴と健康協議会(FHA)」の事務局長を務める。現在はシューフィッターの養成講座の運営の傍ら、一般消費者への啓蒙活動の一環として講演活動等も行っている。
上級シューフィッター(バチェラーオブシューフィッティング)の有資格者。

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