2016年1月17日スタート

インタビュー

永里陽三役 西田敏行さん

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今回演じられる永里陽三とはどんな人物でしょうか?

 昭和の匂いをいっぱい纏った、典型的なオヤジです。もう少し言うなら、息子の大介の生活スタイルとは間逆を理想として、今では言われなくなってしまいましたが、お茶の間で家族揃って仲良くワイワイと食事をするなど、そういった家族のふれあいを大切にしたいと考えている父親だと思います。

そんな陽三さんと共感する部分はありますか?

 ありますね、それこそ西田敏行イコール永里陽三と言ってもいいくらい、陽三を演じていて随所に感じます。例えば、息子の悪いところはしっかりと叱るし、良いことがあればもろ手を挙げて喜ぶとか褒めるとか、陽三にはリアクションの大きいところがあるのですが、自分自身にもそういったところがあるので、とても楽しく演じています。
 役者って自分を演じようとするととても難しいことになってしまうと思うのですが、永里陽三を演じてみて、よくよく考えてみると、「これって自分と似ているじゃん」と気付くことが多いです。

大介のような“こじらせ男子”と呼ばれる男性のことをどう思いますか?

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 一概に否定はしませんけど、ただやはり、自分の感情を表に出さないとか人との係わり合いを好まないという人間と接すると、何というか、ふわっと掴みどころがないというか、食べ物ではないけど歯ごたえがないという感じがして、時折「しっかりせんかっ!」と声をかけたくなるときがあります。自分の周りにもいますからね、そういう男が。飲みに誘っても「今日は失礼しまーす」とかいって、帰って何しているんだって聞いたら「ゲームしてまーす」なんていう役者の後輩もいて、ついつい説教したくなるときもありますね(笑)。「お前、役者だったら外に出て人間観察でもしろ」ってね。
 もちろん説教したこともありますけど、暖簾に腕押しとでもいいますか、感情を表に出さないので、言っていることが伝わっているのかどうか、わからないことが多いので、ちょっと物足りなさを感じますね。

大介のように結婚をしない人たちも増えていますが…

 今は考え方や生活スタイルが多様化しているので、“こうあるべきだ”というものはありませんが、ドキュメンタリーなどで両親やおじいちゃんおばあちゃんと暮らす大家族なんか紹介されているのを見たりすると、自分もその中に入りたいなと思うことがあります。

このドラマの共演者の印象というと?

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 それぞれ強烈な個性を持った表現者なので、一緒にお芝居をしていて楽しいです。
 香取慎吾さんは、繊細なところを持った人で、それこそ、ちょっとこじらせ系なところもお持ちだと思うので(笑)、お芝居も良い方向へ向いていると感じています。役者って、お芝居が段々とかみ合ってくると、何かカタルシスのようなものを感じるのだけど、香取さん演じる大介とのシーンでは、それを感じることができます。
 上野樹里さんは、やもすると天然のような人なのだけど、しっかりと自分の考えを持って役に臨んでらっしゃるので、とても頭の良い人なのだと思います。
 風吹ジュンさんは、自分たちが若かった頃のアイドルだったので、正直、恥ずかしくて今でもまともに顔が見れません。この間、二人でマグロを捌くシーンがあったのですが、ずっと終わらないでくれって思っていました(笑)。

西田さんにとって家族とはどんな存在でしょうか?

 大げさに言えば、家族のためなら死ねると言えるくらい、それだけかけがえのないものです。
娘からは、お酒を飲んでいたりすると「もう年なんだから、すこしは考えなさい!」と怒られますけど、その怒られることが何だか心地が良いんです。だからと言って、わざと怒られるようなことをしているわけじゃありませんけどね。
 ともかく、自分のことを心配してくれる存在というのは、本当にありがたいもので、それこそ、その存在の大きさは失ってみて初めてわかることもあると思います。もう自分の両親は亡くしていますが、本当に寂しいものです。

最後にこのドラマの見どころをお願いします!

 過去に見たことのない、でもどこか懐かしさを感じられるホームドラマになっていると思います。ぜひ、なるべくでしたらお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんなど、ご家族一緒にご覧いただけると嬉しいです。そしてみなさんで、家族ノカタチというものを考えていただけたらと思います。

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