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報道の魂
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2018年12月16日 放送
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「剣太の命 ~戦い続けた10年目の夏~」

2009年8月、大分県立竹田高校の2年生で剣道部のキャプテンを務めていた工藤剣太さんは打ち込み稽古の最中に熱中症で倒れ、命を失った。明るい未来が開けるはずだった剣士が亡くなった背景には、当時の顧問が行った指導者としてあるまじき行為があったのだ。

激しい練習で追い込み、意識が朦朧とする剣太さんを演技と決め付け、暴行を加え続けた。剣太さんは重度の熱中症を見過ごされながら意識を失っていったのだった。

この日から剣太さんの両親の戦いが始まる。県や顧問らを相手取る民事訴訟を起こした。訴訟は最高裁まで争われたが、国家賠償法が適用され、顧問らの賠償責任は大分県が肩代わりすることになり、個人への請求は認めらなかった。

それでも諦めずに両親は顧問らの個人責任を追及するため、新たな住民訴訟の道を突き進んだ。支援していた全国の遺族たちと支えあいながら戦った末に異例ともいえる判決を勝ち取ることができた。

判決を手にした後も両親は二度と同じ悲劇を繰り返させないために、全国を走り回る。同じ境遇の遺族を支える立場として活動にも力を入れている。わが子を失い戦い続けて10年目の夏、両親が剣太さんにある思いを届ける。


ディレクター:田邊優(OBS大分放送)

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