太平洋戦争中、アメリカ在住の日系人・約12万人が『敵性外国人』として強制収容所に入れられた。3分の2はアメリカ国籍だったにもかかわらずだ。
ロサンゼルスに住む、日系二世アイコ・ハージッグ・ヨシナガさん(93)は17歳の時に強制収容された経験から終戦後、一つの疑問を抱く。
「アメリカはドイツやイタリアとも戦争をしていたのに、なぜ日系人が狙い撃ちされたのか?」
アイコさんはアメリカ国立公文書館に25年以上通い続け、朝から晩まで資料を読み漁った。集めた資料は一つ一つ手書きでリスト化し、その数は優に3万を超えた。
そして、決定的な資料を見つけ出す。その資料はアメリカ側が『ある事実』を隠蔽するために廃棄したはずのもので、1980年代の「日系人の強制収容」についての裁判で重要な役割を果たした。
日系人強制収容の真実を探し続け、歴史を動かした女性の知られざる物語である。
ディレクター:松本年弘(JNNロサンゼルス支局)