森田剛さんインタビュー
Q：台本を読んだときの感想というと？
良い意味でわかりやすいというか、それほどトリッキーなところもなく、どちらかというとドラマを観ている方が「こうなってほしい」という想いに即した展開があって、僕らが問題を解決していくという、スッキリとしたストーリーが描かれていると思います。そんな物語を大根監督が丁寧に、かつその過程をおもしろく見せながら繋いでいく作品だと、台本を読んだときに感じました。
ストーリーに関して、原作に沿ったものもあれば、大根さんオリジナルなものもありますが、どれもが見ごたえある話になっていると思います。また、グレさんに関しては、原作に倣っていないところが多いです。原作だとグレさんは方言ですし、大根監督がおっしゃっていましたが、脚本はほぼ当て書きということなので、そこは大きな違いですね。
Q：大根監督の印象というと？
普段からおもしろいことを考えていらっしゃる方なのでしょうね、そんな部分が脚本にも感じられますし、撮影現場での細かな演出をみても、普段からいろんなおもしろいことを考えているからこそ出てくるものだと思います。
自分が若い頃から知っている方ですし、自分がどんな芝居をするのかも分かってくれているので、とても信頼を置ける方です。
Q：今回演じられる木暮久作はどんな人物だと思われますか？
正直言って掴みどころのない人ですが、あの探偵事務所へ集まってくる人たちはクセのある人ばかりで、強いて言えば自分に正直な人だと思います。原作にはグレさんが背負う暗い過去も描かれていますが、そんな部分もあって、特にグレさんの涙もろいところはドラマでも描かれています。監督は泣くシーンが好きなのか、いろんな泣き方を試されました（笑）。泣くという行為は、グレさんの人間性を表しているのかもしれませんね。本気で泣いていることもあれば、その逆にウソ泣きもあるという。そんなところはおもしろいと思います。
Q：グレを演じる上で気をつけていることというと？
瑛太さん演じるゴローさんとの関係性として、あまり近づきすぎないようにと意識はしています。付かず離れずの関係というか、全く違う性格ではなく、どこか共通するところ似ている部分と、お互いに言葉にはしなくても分かり合えている関係、その距離感は大切にしたいと考えています。
瑛太さんご本人とは、特に演技について話をすることはありませんが、監督がたくさん撮影する中で、瑛太さんがいろんな要素を試みたりするので、瞬発力がある方だなと感じています。一緒に居るゴローとグレは似てくるところもあると思うので、瑛太さんのセリフ回しなども参考にしています。それと、言葉のニュアンスやセリフの掛け合いのリズムなどを大事にしたいと思っていますが、最終ジャッジは大根監督にあるので、監督の演出に応えられるよう頑張っています。
Q：撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか？
基本的に静かな雰囲気ですけど、たくさん撮影していくのでおしゃべりをしている間がないというか、とても集中している現場だと思います。
それと物語上、重要ではないシーンに大根監督が力を入れるところがあるので（笑）、そんなシーンを何回も撮っているとセリフ回しもおかしくなってきて、思わず笑いが起こりますね。
Q：今までの撮影で印象に残るシーンや苦労したところはありますか？
朝が早いことが大変なくらいで、撮影に関しては特に苦労したことはありません。現場でいきなり「こうして」と言われることもたくさんありますが、そこは監督のさじ加減です。シーンが大きく変わることはありませんが、大根監督のこだわりを感じるところなので、こちらとしてもまったく問題はありません。
でも、グレさんのキャラではないのに、本格的なアクションシーンを演じたのはちょっとビックリでした（笑）。きっと真面目な方なら「なぜ、いきなりこうなるの？」と悩んでしまうかもと思うくらい、アクションスターが演じるようなシーンが描かれるので、楽しみにしていてください。
Q：最後に、みなさんへメッセージをお願いします！
大根監督が書く脚本には、演じる人への愛があって、それは出演者みんなが感じていると思います。それぞれの役者が持っている武器や雰囲気を汲んで書いてくれている部分と、「こんな部分を出してほしい」という書き方で、自分でも見たことのない部分を引き出してくれるような愛情を感じられるので、そんなところには気合が入りますし、大根監督の世界観をよりおもしろく成立させたいと、演じる側みんなが頑張れるのだと思います。そんな大根監督を信じて現場は一つになっていますので、ぜひともご覧ください。