2012年12月25日(火)
橋本です。
お久しぶりです。
また、ハンチョウ・シリーズをやらせていただくことになりました。
「ハンチョウ6〜警視庁安積班」です。
神南署に戻るんじゃないのかっ!
とお怒りの方もいらっしゃると思います。
警視庁編は1回だけのスピンオフだったんじゃないのかっ!
と叫んでいる方もいらっしゃると思います。
ごもっともです。
いろいろなことがあって、いろいろな経緯があって、
こういう形になりました。
プロデューサーというのは、確かに番組という「船」の船長だと思います。
そして、その「船」に関するすべてのことは、船長が責任を負うべきだと思います。
そのことにまったく異論はありません。
しかし、その「船」は船長個人の持ち物ではなく、
客船なら商船会社の持ち物であり、
タンカーなら石油会社の持ち物であり、
巡視艇なら海上保安庁の持ち物であるわけです。
港を出た船がどの航路を取り、どこを目指すのか。
それを決めるのは、その船を運営する組織であり、
残念ながら船長ではありません。
たとえ船長にどうしても行きたい場所があったとしても、
組織の一員たる船長は組織の指令に従って、
決められた目的地に向かって船を進めていかなければなりません。
目的地を指令された船長が取り得る選択肢は二つだけです。
指令に従ってきちんと目的地を目指すか、それとも、船を降りるか。
私は、今回、船にとどまることを選びました。
そして、指令された目的地を目指して船を進めることを選びました。
どうして船を降りなかったのだ、と問われれば、
船に乗り続けることでしか果たせない責任があると考えるから、
としか答えられません。
勝手なこと言ってんじゃねえよ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、本当にそう信じるのです。
船を進めることでしか、面白いドラマを作ることでしか、
果たせない責任があるのだと。
だから、「ハンチョウ6〜警視庁安積班」は、
絶対に面白いドラマにします。
それが、今回「神南署編」を期待していた方に対する、
最大限の責任の取り方だと思うからです。
前回に続き今回も、
原作の今野先生には大変なわがままを聞いていただきました。
こちらの身勝手な言い分を黙って聞いた後、
あまりにも優しい言葉を返していただいた時には、
図らずも涙が出そうになってしまいました。
いろいろな方の、いろいろな思いに応えるためには、
いいドラマを作っていくしかありません。
そのために、全力を尽くすしかありません。
とにもかくにも、船は港を出ました。
出航した以上、すべての責任は船長にあります。
この後、どんな高波に襲われようと、
どんな嵐に遭遇しようと、
絶対に進路を見失わずに、
目的地に向かって進み続ける。
それが船長の責務であり、
もはや悩んでいる余裕はありません。
ひたすら前を向き、水平線の彼方を目指して突き進んでいこうと思います。
警察という強固な組織の中で、自分の信念を貫き、
時には自分の職を賭してまで上層部と闘い続ける安積警部補のように、
私も自分の信ずる道を行こうと思います。
最初にしては、ずいぶん堅苦しい文章になってしまいました。
楽しい話題を期待していた方には、申し訳ありません。
次からは、楽しいこと書きます。
とりあえず、よろしくお願いいたします。