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著名人からのメッセージ

――― 著名人の皆様からメッセージを頂きました。

 イタリアと日本の盛んな文化交流において、グエルチーノ(本名ジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ)の展覧会は、特筆すべき意義をもつものです。
 この企画のすばらしさは、まずは日本の皆様に、17世紀イタリア美術を代表する偉大な画家の多数の作品を初めて鑑賞していただく点にありますが、そればかりではありません。2012年5月20日と29日に地震に見舞われたイタリアのチェント市に対する、日本の支援の具体例を表すものでもあります。
 日伊両国においては、残念ながら文化遺産がしばしば壊滅的な自然災害に襲われておりますが、その度に両国の連帯感が表されてきました。今回も、深刻な被害を受けて未だに閉館しているチェント市立絵画館から、展示作品の多くが日本に貸し出されました。その中には、正真正銘の傑作である大作も含まれています。これも、日本側主催者とイタリア諸機関との完璧な連携によるものです。
 グエルチーノは、評論家諸氏によって前世紀に再発見され、再評価された画家です。著名なイタリア美術の専門家のひとりである英国の美術史家・収集家サー・デニス・マーンの丹念かつ精力的な研究の成果により、また、作品の多くが修復・洗浄されたことにより、絵画がもつ至高の価値が認められて脚光を浴びました。本展は、グエルチーノの偉大さを把握するための貴重な機会と言えましょう。

駐日イタリア大使  ドメニコ・ジョルジ

フランチェスコ・バルビエーリ、通称グエルチーノ。イタリア・バロックを代表する巨匠である。17世紀のバロック時代といえば、西洋美術がもっとも輝いた時代であり、カラヴァッジョ、ルーベンス、ベラスケス、レンブラント、フェルメールなど、日本でもおなじみの巨匠たちが次々に輩出した。
グエルチーノはそのような巨匠と肩を並べる天才であり、フェルメールやラ・トゥールとちがって、西洋では一度たりとも忘れられたことはなかった。しかし、20世紀以降は不当に人気がなくなってしまった。この画家を含めたボローニャ派は、19世紀までは西洋中でアカデミズムの規範として賞賛されていたが、前衛やオリジナリティを重視するようになった20世紀になると、おもしろみのない無個性な折衷派とみなされてしまったのである。
近年その評価は改められており、とくにグエルチーノの豊かな表現力や影響力は最近とみに見直されている。今回、グエルチーノの故郷であるチェント市が震災に見舞われ、復興期間中に重要な作品群を惜しげもなく貸し出してくれることになったのは、またとない貴重な機会だ。わが国で、このような重要なオールドマスターの展覧会が開催されるのは、日本における美術文化の成熟を示すものであり、喜びにたえない。

宮下規久朗 (神戸大学教授)

 ヨーロッパの音楽史上に燦然と輝く天才クラウディオ・モンテヴェルディの最高傑作のオペラ「オルフェーオ」は1607年、マントヴァで初演されました。その頃18歳の若き天才画家グエルチーノはボローニャですでに名声を得ていたといいます。
 この時代、イタリア各地で同時発生して瞬く間に広がったバロック音楽の新しい波。グエルチーノもきっと耳にしたことでしょう。強烈な光と影を感じさせる劇的な表現、新鮮な感覚、鮮やかな色彩感。絵画と音楽の間にはさまざまな共通点があります。この時代に歌われた曲の数々を、同時代の絵画を鑑賞しながら、素晴らしいソプラノ・阿部早希子さんの歌と、当時最も愛されていた弦楽器であるリュートの伴奏でみなさまに聞いて頂ける、こんなまたとない機会を私も楽しみたいと思います。
 4月8日は低音を補強した長い弦を持つリュートであるティオルバと、現在のギターの前身である小振りで華奢なバロックギターを演奏いたします。

リュート奏者  つのだたかし

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後期ルネサンスから初期バロック時代に活躍した画家グエルチーノ。
伝統と斬新が織りなす時代は音楽にもありました。
その音楽を器楽トリオで紹介致します。
なかなか取り上げられない作品も網羅してのプログラム。
ぜひグエルチーノに寄り添って聴いて頂ければと思います。

リコーダー奏者  江崎浩司

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