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みどころ

初期 画風の確立

小都市チェントで独自の自然主義的な画風を成熟させたグエルチーノは、その名が近隣にも届くようになります。1617年にはボローニャの枢機卿アレッサンドロ・ルドヴィージに呼ばれボローニャに滞在し、いくつかの作品を制作しました。アレッサンドロとの出会いは後にグエルチーノにとってきわめて重要な意味を持つことになります。17年の年末以降はチェントを本拠として多くの作品を制作しました。本展ではこの時期を代表する作品をいくつも展示します。これらの作品では、揺らめくような光によって人体が空間の中にとけ込み、一瞬のドラマが演出されています。

展示作品はこの時代の宗教画の特徴を表わしています。聖人を介抱する聖女 (fig.3) や 聖像崇拝 (fig.4)、あるいは 教会の正統性を表す図像 (fig.5) は対抗宗教改革の運動のなかで、教会のおしえに合致するものでした。

fig.3
グエルチーノ 《聖イレネに介抱される聖セバスティアヌス》
1619年 油彩/カンヴァス 179×255cm ボローニャ国立絵画館

fig.4
グエルチーノ
《ロレートの聖母を礼拝する聖ベルナルディーノと聖フランチェスコ》
1618年 油彩/カンヴァス 239×149cm チェント市立絵画館

fig.5
グエルチーノ
《キリストから鍵を受け取る聖ペテロ》
1618年 油彩/カンヴァス 378×222cm チェント市立絵画館


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