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みどころ

画風の形成期

グエルチーノは主に生地チェントで画家としての修業を行いました。伝説によれば8歳にして壁画を描いたといいます。これは大げさとしても、早熟の画家であったことは確かなようです。彼はカラッチ一族などの作品に学びつつ、ほぼ独学で自らの画風を形成しました。写生にもとづく制作法を実践し、バロック美術の先駆けとなったカラッチ一族のおしえを、グエルチーノは受けついでいます。特にルドヴィコ・カラッチがチェントの教会に描いた祭壇画 (fig.1) は、初期バロック美術の傑作であると同時に、グエルチーノに決定的な影響を与えた作品として重要です。《聖母子と雀》 (fig.2) を見ると、聖母の顔立ちはルドヴィコの絵の聖母とそっくりです。ただし肉体はよりしっかり描かれて量感があり、グエルチーノが自らの道を模索していることが分かります。

fig.1
ルドヴィコ・カラッチ 《聖母子と聖人たち》
1591年 油彩/カンヴァス 225×166cm チェント市立絵画館

fig.2
グエルチーノ 《聖母子と雀》
1615-16年頃 油彩/カンヴァス 78.5×58cm ボローニャ国立絵画館


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