古代エジプト文明のキング・オブ・ミステリー
“クフ王のピラミッドの謎”に挑み続けてきた
レジェンド考古学者のもとへ！

80歳を越えて今なおギザの発掘現場に立たれている吉村作治先生を訪ねました。現場にいらっしゃるのもそうですが、お話するとやっぱりエネルギーがすごいですね。吉村先生は20代でエジプトに行かれ、数々の発掘調査や発見を重ねながら60年近くもずっと古代エジプト研究を続けられているレジェンド。今回はクフ王のピラミッドの謎に、人生をかけて挑み続けてこられた吉村先生の発掘現場を緊急取材しました！

また現在の調査のほかにも、僕たちが気になる部分として「ひとつのことをこれほどやり続ける精神とはどういうものなのか？」というミステリー（？）も質問したんです。すると間髪入れず返ってきたのはごくシンプルな答え。でもそれだけでハッとさせられました。そんな吉村先生は、久しぶりにやって来たミステリーハンターのある変化にまずビックリされていました（笑）。

昨年、ツタンカーメンの
黄金マスクの謎に繋がる発見が！

僕たちを魅了するツタンカーメンの黄金マスクは、なぜ作られるようになったのか？昨年、その答えに繋がるミイラが発見されたんです！今回は特別な許可のもとで、まだ石棺に眠るミイラを取材させて頂くことができました！

案内して下さったのは古代エジプト好きにはとても有名な考古学者、ザヒ・ハワス博士です。僕は初めてお会いできて本当に光栄でしたが、同時にそのすごさを思い知る出来事も…。石棺があるのは地下12メートルの場所で、そこへ行くには一見、買い物カゴを吊るしたような乗り物に乗っていくんです。怖さに言葉を失う僕をよそに、ザヒ博士は躊躇なくお尻を突っ込んで地下へ！今回の取材では、ザヒ博士にも吉村先生にも度々、「この方たちは一体！？」と発掘調査に対する迷いのない姿勢に驚かされました。

そして4300年も封印されていたミイラの姿は、やはりゾクッとするものがありました。生きていた時の姿かたちが見えてくるところがありますし、装飾品はまだ輝いて残っているんです。4300年前…、なのか本当に！？という気持ちになりました。以前、王家の谷でツタンカーメンのお墓に入った時も思いましたが、歴史を肌で感じるというか、歴史と自分のいる今が繋がる感覚に心が揺さぶられて言葉に詰まりそうに…。いや本当にエジプトはワクワクが尽きないですね！

最新研究から見えてくるスフィンクスの奇跡！？
新しい発見も楽しみな古代エジプト文明の世界

やっぱり古代エジプトは、古代ローマよりも古く人類の礎みたいなところがあると思います。そして古代エジプトといえば独特な存在感のピラミッドや、その守護神とされ今回ある謎に注目したスフィンクス。黄金に輝くツタンカーメンのマスクやお墓の鮮やかな壁画、さらにミイラはどうしてあんな包帯グルグル巻きなのか…？最初はそれらの意味の分からなさや、今の自分たちとはかけ離れた人間性を感じたことも。ただそこにも惹きつけられずにいられないんです。

2022年に僕が初めてエジプトへ行った時は、コロナもあって観光客が全然いない状況でしたが、今回訪ねたらものすごい人！世界中からたくさんの方が来て、ピラミッドを見て楽しむ姿に「ピラミッドって本当にすごいんだ！」とあらためて思いました。こんなに誰もが知っている遺跡はまずないですし、みんなが憧れて求めて見に来ていることに感動しました。またほかの観光客の方も同じだと思いますが、憧れの古代エジプトの地に行ってみると、何かこうスッと何千年も前の時代に近づいた感覚になれるんです。そんな懐の深さを持つすごさも、ぜひ行ってみて、ご覧になって、感じてもらえたら嬉しいです！

探し物は見つからず!?

実は番組で紹介されなかった幻のシーンがあるんです。それは、古代エジプト文明がテーマだった第1回目の「世界ふしぎ発見！」と同じように、あるユニークな虫を探すというもの。アフリカに多く生息するコガネムシ科のフンコロガシです。名前の通りフンを転がすこの虫を、今回再び探してみようと…。

そこでフンコロガシが生息する場所として教えてもらったのは、家畜の糞の掃き溜。かなり臭かったり、ちょっと温かかったりする中を（笑）、スタッフみんなで探し始めました。しゃがみ込んで、じっくり探してもすぐには見つかりませんでしたが、ようやく「いたよ！」とそこへ案内してくれた方が発見！思ったより小さい印象でしたが、その後も7匹くらい見つけて撮影は無事に終わりました。

しかし、見つけた虫の写真を日本へ送り詳しく調べてもらったところ、探していたフンコロガシではないことが判明。フンコロガシと同じ糞を食べる仲間、エンマムシでした。

スタッフみんなが「あのシーンは一切使えないのか…」という落胆と同時に、では一体どうしようかと…。予定していたのは番組のオープニングシーンだったんです。そんなちょっと重い空気に包まれながら、何気なく上を向いた時でした。「あれは何だ？」とこれまで見たことのない不思議な乗り物が!?その瞬間、「よし、あれに乗ろう！」と望みが掃きだめから空へ羽ばたきました（笑）！