教科書で見た絵画が！彫刻が！建築が！
‘屋根のない美術館’と称されるフィレンツェ

フィレンツェは、どの風景を切り取っても美しい街でした。しかも歴史的な景観が守られているので、人通りのない路地を歩いていると、なんだかタイムスリップしたような気分になるのです。京都の先斗町を散策すると、着物で日本髪を結った人たちがそぞろ歩く姿が思い浮かぶように、フィレンツェにいるとルネサンス時代の人たちと街中で遭遇するのではないかとわくわくして想像が膨らみました。

ルネサンスの中心地だったフィレンツェ
一体なぜフィレンツェで？
そしてルネサンスとは何？

フィレンツェでは、ルネサンス時代のミステリーを探ってきました。ルネサンスは、14世紀ごろからフィレンツェを中心に起こった、古代の文化や芸術を再発見する運動で、様々な分野で変革が起こりました。当然、その時代のフィレンツェではたくさんの象徴的な人物の活躍がありました。今回の旅を通じて、当時のフィレンツェが芸術だけでなく、建築や学問などあらゆる分野に影響を与えていたことをご紹介します。現地の専門家にお話を伺って印象的だったのは、ルネサンス以前の常識を変えた天才たちについて、彼らを突き動かした原動力を「彼らのユーモア」と表現する方がたくさんいたことです。激変が起こったのではなく、少しずつ数百年に渡り変わり続けて大変革となっていった、それがルネサンスなのですね。

実はご近所さんだった！
ルネサンス期にフィレンツェで活躍した
天才芸術家たち

そしてルネサンスの象徴とも言える天才芸術家たちの足跡を辿る取材も、とても興味深かったです！見所ポイントをひと言で言うと、「フィレンツェのちょっと変わったおじさんたち」でしょうか（笑）。私も取材前は、ダ・ヴィンチなんて偉大過ぎて自分が共感したり親しみを感じることなんてないと思っていましたが、今はダ・ヴィンチがフィレンツェを歩く姿が少し想像できるようになりました。もちろん彼らの才能は圧倒的ですが、今回はフィレンツェで暮らす生活者の一面もご紹介できると思います。

今回大好きな「世界ふしぎ発見！」のミステリーハンターとしてまた取材ができて本当に嬉しかったです。私が言うと手前味噌になってしまうかもしれませんが、こんなに丁寧に取材をする番組ってありませんから（笑）。今回も時間ぎりぎりまで何度も納得のいく映像を撮っていたスタッフの方たちを見ていて、またその一員になれたことが幸せだと感じましたし、アナウンサー冥利に尽きると思いました。

今、現地に足を運び、五感をフルに使って新たな発見を楽しむという旅の醍醐味の素晴らしさを改めて感じています。映像や写真なら世界中あらゆる所をスマートフォンやパソコンで見ることができますが、実際見ないと感じないことが現地には必ずあるんですね。実は私も、最近円は弱いし、日本にも素晴らしいところがいっぱいあるから…、なんて思っていたのですが（笑）、いやいやパスポート持って世界に飛び出そう！に変わりました。そして願わくば、番組をご覧になった方が、いつか行ってみたい場所リストにフィレンツェを加えて頂けたら！それに勝る喜びはありません。

眼下に美しき世界遺産の街！
フィレンツェで空の散歩はいかが？

気球に乗ってフィレンツェの街を上空からも眺められたのは、とても貴重な体験でした。空から見下ろすと、オレンジ色の屋根瓦が広がっていて、高い建物はドゥオーモや大聖堂、鐘楼くらい。空から眺めるとなお一層、フィレンツェのみなさんが、この街の価値と魅力を良く理解され、そして愛していることがよくわかります。あれだけ完璧に守り抜くのは、普通でも当たり前でもありません。街の美しさと同時に、街のみなさんの心意気と覚悟にも感銘を受けた空の散歩でした。そして地上に降り立った後のピクニックスタイルの朝食も、絶景の余韻と相まって最高でした！