家康とベトナムの謎を探るため
海のシルクロードの中継地として栄えた
古都ホイアンへ！

日本とベトナムが古くから交流があったことは知っていましたが、取材前は僕の中で家康とベトナムが結びつかなかったんです。ですがベトナムで家康ゆかりの場所を取材していくごとに、天下統一はもちろん、家康の数々の偉業と結びついていって、とても面白かったです。そして改めて家康の凄さも感じました。泰平の世を実現させるためには何が必要か知っていて、それを着実に実行していたことがよくわかりました。そしてとてもグローバルな感覚を持っていた人物だと感じました。徳川幕府が徐々に鎖国へと向かっていく中でも諸外国への関心は持ち続けていたのでしょうね。その好奇心の強さは羨ましいです！

また代々徳川家に尽くした一族の存在も興味深いものでした。特に天下統一を実現するため一番大変な時期の家康を支え尽力した人物は、まさに天才だと思いました。何でもできるんです！先見の明があるからお金も稼げる、交渉も長けていて諸外国の情報にも詳しい、諜報活動もできるし、スポンサーのようなこともしている…。莫大な資金を必要とする戦、そして盤石な体制作りには、こういう人物の存在が不可欠だったことがよくわかりました。家康の信頼が篤かったのも納得できますし、きっと二人は意気投合する仲だったのではないでしょうか。

家康のフェチ！？
泰平の世に貢献！？
徳川家が代々大切にしてきたもの

そしてなぜ家康はベトナムに注目したのか探ってきました。詳しくは番組でお楽しみ頂きたいと思いますが、家康自身がこよなく愛し、政治的にも利用したもの、それがベトナムにあったのです。そのひとつは、権力の象徴でもあり証でもあるのですが、家康はかなりのマニアだったようです。でも実は、僕にとっては生まれてこのかた関心や執着を持ったことのないことで、どうレポートするか少し不安もあったのですが、逆に何の偏見も好みもない純粋な状態で取材ができたせいか、一気にその魅力に開眼しました（笑）。そして家康さん、おしゃれ！こんな嗜好があったんだ！と思いました。信長や秀吉より地味で堅実というイメージとは異なる、新たな家康の一面を知ることができました。

僕の知り合いに、将来はベトナムに住みたいと言う人がいます。「世界ふしぎ発見！」のスタッフの方たちの間でもとても人気があるそうです。僕も現地に入ってほどなくベトナムに魅了されてしまいました（笑）。みなさんのおっしゃる通りですね。今、日本にはベトナムの方たちがたくさん暮らしていらっしゃいますし、ベトナムは日本人の大好きな観光地です。取材をして改めて両国の交流の歴史の長さを実感しました。すでにとても親しみのある国ですが、家康の天下統一の秘策にベトナムあり！という歴史ミステリーが、さらにベトナムへの親しみを深めるきっかけになれば嬉しいです！

最上級の香りを体験して

先にもチラッとお話しましたが、僕はこれまで香りに関心を持ったことがなかったんです。でも今回香りは重要なテーマですし、家康の天下取りにも関わった香りとはいかなるものか興味もあったので、台本を頂いた後に沈香の香りのお香を買ったんです。その時の感想は…、お線香の匂い（笑）。ですが、ベトナムで木から採取したばかりの沈香の匂いを嗅がせて頂いた時には、なんて素晴らしい香りだと感激しました！甘くそして爽やかに変化していく奥深い香りにうっとりしてしまいました。そしてその時に人生で一番香りに集中した瞬間、僕の嗅覚がアップデートした気がします（笑）。

帰国後も欠かせない味に！

今回の取材で、僕もベトナム好きの仲間入りをさせて頂きました（笑）。自然も人も心地良く寄り添ってくれる感じがして、日毎にベトナムに魅了されていきました。そしてベトナム料理、美味しいですね！特にミョクマムは、すっかりハマってしまいまして、帰国してからも豆腐やら魚やら何にでもかけていますね（笑）。
ベトナム取材中には、改めて世界にはふしぎがまだまだたくさんあると感じましたし、個人的にもまた大好きな場所が増えてとても貴重な体験となりました。