世界を旅したあの人も驚愕！？
草原の国カザフスタンの今

カザフスタンは、何となく草原の国というイメージはありましたが、僕にとっては未知の国でした。ですが今回取材が決まって思い出したことがありました。ちょっと前の話ですが、元サッカー選手の中田英寿さんの紀行文を読んだ時、「世界中を巡って一番印象的だったのは、カザフスタンのアスタナ」という記述があったのです。ですから現地へ行くのを楽しみにしていました。そしてアスタナを取材して、なるほど中田さんの驚きはこういうことか！と実感できました。

カザフスタンの首都アスタナは、斬新なデザインの建物やビルが立ち並ぶ近未来都市。そして周辺の街も近代的。いわゆる古都とかのどかな町がなくて、近代的な街か草原。そのギャップに僕も驚きました。街で買い物をした時に、現金を出したら「クレジットカードか電子マネーはお持ちではないですか？」と言われてしまいました（笑）。そしてただ街がきれいで快適というだけでなく、現地のみなさんに明るい活気があったのも印象的でした。

広大な草原から続々と発見されている
美しく豪華絢爛な装飾品
これまでのイメージを覆す騎馬遊牧民

草原でも驚きと感動がありました。今回の取材では、サカという騎馬遊牧民の遺跡や古墳、出土した遺物をレポートしたのですが、どれも精巧で美しく、草原に高度な文明があったことがよくわかりました。定住をしない騎馬遊牧民は、シンプルな生活をしていたイメージもありますし、古代都市文明を築いたギリシャやペルシャの記録では「野蛮な」と表現されることもあります。しかしそんなイメージを一新する事実をご紹介できると思います。またカザフスタンの草原には、ゴロゴロと言っていいほどたくさんの未調査古墳があるんです（笑）。今後さらに世界を驚かせる発見も期待できます。楽しみですね！

そして取材を通して感じたのは、馬が人類の歴史にもたらしたものは大きいということです。野生の馬を飼い慣らし、馬具を発明し、乗りこなすまでどれくらいの歳月がかかったのかわかりませんが、きっと多くの失敗を重ね、それを成し遂げたことで、日々の暮らしや行動範囲に至るまで劇的な変化があったのだと思います。馬という生きものの能力、それを自分たちの生活に取り入れた人、どちらも凄いと感じました。

弥生時代の王墓のある福岡県糸島市
数々ある国宝の中に…！

福岡での取材もとても興味深く、楽しかったです。これまで弥生時代というと大陸から米が入り稲作が広がったくらいの認識だったのですが（笑）、もっと深く具体的に弥生時代の人びとの生活をイメージできるようになりました。博物館で見せて頂いた国宝の数々には興奮してしまいました。弥生時代にカザフスタンと繋がりがあったことを示す貴重な遺物も見せて頂きましたよ。糸島も素晴らしい所で、その魅力をお伝えできるのも嬉しいです。糸島から美しい海を見つめながら、彼方のカザフスタンに想いを馳せておりました（笑）。とてもロマンに満ちた取材でした！

中山さんがカザフスタンに
ふしぎなご縁を感じた訳とは？

番組でもご紹介していますが、街で撮影をしていると「あなたカザフスタンの俳優さん？」と聞かれることが何度かあったんです。またスタッフの方たちとレストランで夕食を食べている時に、隣のテーブルの男性が僕にカザフスタン語で話しかけてくるので笑顔で頷いていたら、コーディネーターさんが「『君と一緒にいるのはみんな韓国人？』と言ってますよ！」と教えてくださって（笑）。「We are Japanese！」と答えたこともありました。

実は僕、乳製品があまり得意ではなく…。といっても味は好きなのですが腸が受け付けてくれなくて…。これまでも、これくらいなら大丈夫だろうという淡い期待を何度も裏切られてきました。でもカザフスタンでは大丈夫だったのです！番組では特産のチーズをレポートしましたが、ほかの取材でもさまざまな乳製品を頂いて、全く異変はおきませんでした（笑）。こんなことは初めてです。取材前は未知の国でしたが、今では親しみと共にふしぎなご縁も感じています。