日立 世界ふしぎ発見!

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2023年9月9日 よる9時から放送

第1685回

インド 幻の泳ぐラクダ大捜索スペシャル

ミステリーハンター

武市 萌美(たけいち めぐみ)

2013年ミステリーハンターオーディションで7000人の応募者の中から選出。その時ミステリーハンターとして取材したインドで、ラクダの毛刈りに魅了される。以来インドに通い続け毛刈りコンテストで優勝したことも。近年はインドの織物を習得し、生地を作り商品も販売している。ミステリーハンターは今回で3回目。

灼熱の砂漠を悠々と歩くラクダ…そんなイメージを覆す写真がインドから投稿されました。何とラクダが泳いでいるのです!どうしてラクダは泳いでいるのか?どこに泳ぐラクダはいるのか?幻のラクダを求めインドに向かったのは、ミステリーハンターオーディション選出でラクダ愛を深めた武市萌美さん。幻のラクダ追跡で、武市さんはどんな発見をしたのでしょうか?

衝撃の写真を見てから7年
何度も頓挫した武市さんの追跡
泳ぐラクダはまさに幻のラクダ!

私が初めて泳ぐラクダの存在を知ったのは7年前。インドの友人のSNSに泳ぐラクダの写真がアップされていたのです。衝撃を受けた私はすぐに友人に連絡し、「スゴイ!絶対にあのラクダに会いたい!会いに行く!案内して!」と。友人も「よし、まかせて」と二つ返事だったのですが…。準備を整えインドへ行き、友人を訪ねると「実はあの写真は自分が撮ったものじゃないから分からない」と。知り合いが撮ったと言ってましたけど、多分SNSで見つけた写真を共有したんでしょうね(笑)。それでも私は諦めずに、ガイドの方に頼んだりもしましたが、毎回同じパターンで。「OK、まかせて」から「もうダメだ」の繰り返し(笑)。さらにコロナで渡航できなくなり、気が付けば7年が過ぎていました。

武市さんの知人の織職人
注文していた絨毯が完成!

ですからディレクターさんから「泳ぐラクダの有力な情報が掴めそうだよ」と連絡を頂いた時には本当に驚きました。テレビマンの底力、情報収集力、スマートさに心底敬服いたしました!私もさんざんインターネットでも調べましたし、コロナのパンデミックだった時以外は毎年長期インドに滞在していたので、現地であらゆる人に聞いていたのに、知っている人はいませんでした。まさに幻のラクダです。なのに東京におる人がなんで?です(笑)。そして今回ミステリーハンターとして幻のラクダ追跡をさせて頂く機会を与えてくださり、心から感謝しています!

美しい民族衣装を着た
少数民族の子どもたち

日本のメディア初取材!
泳ぐラクダは遊牧民と共に
移動生活をしていた!

泳ぐ幻のラクダは、遊牧民の方たちと共に暮らすラクダでした。詳しくは番組でお楽しみ頂きたいと思いますが、泳ぐと言っても年中日常的に泳ぐ訳ではありません。泳ぐラクダの存在が、世界的にもインドですら知られてこなかったのもうなずけます。ラクダと共に暮らす遊牧民の方たちの滞在場所へ行くのもかなり大変でしたが、何とか辿り着いた後も、ラクダが泳ぐ条件が整うのを待つことになりました。

代々ラクダと共に暮らしてきた
遊牧民ジャットの方たち

そして待つ間にラクダの1頭に毛刈りをさせて頂きました。通常コンテストで毛刈りをする時には約1ヶ月かけるんです。まず1週間は、大好きアピール(笑)。最初はなるべく頻繁に視界に入って、慣れてきたらエサをやったりブラシをかけたりしながら信頼してもらえるように尽くします。そしてやっと毛刈りへ。でも今回毛刈りができるのは数日。不安だったのですが、これまで毛刈りをした中で一番大人しく、驚くほど私に身を任せてくれるラクダでしたよ。

武市萌美のラクダ・ライフ
第二章へ!?

また今回の取材で、自分が予想もできなかった心の変化が起きました。これまで私は目の前のラクダを愛するというスタンスでいました。学術的にラクダを調べるということは殆どしなかったのです。ですが、泳ぐラクダの謎を解明したパメラ・バーガー先生とのリモートインタビューで、ラクダの研究もめっちゃ凄いし、面白い!と思ったんです。ラクダの生態や進化、そして人との歴史、もっと知りたいと思いました。パメラ先生の新たな研究結果も楽しみです。またしても、ミステリーハンターをさせて頂くことで、私のラクダ・ライフの新しい扉が開きました(笑)!

武市さんの毛刈りが完成
お見事!美しい!

ついにその時が来た!
武市さんの夢
泳ぐラクダと一緒に泳ぐ

そして泳ぐラクダが見たい、一緒に泳ぎたいという私の夢が実現しました。ラクダが泳ぐ条件を待っている時は、毛刈りに集中していましたが、「この取材がお蔵入りになったらどうしよう…」という不安はいつもありました。でも滞在最終日にその時が来たのです!すべてが美しく感動的でした。水の上に顔とコブだけ出してラクダが泳ぐ姿。うっとりしてしまって、ディレクターさんに「コメント言って〜」と促されてしまったほどです(笑)。私の人生最期の走馬灯に必ず入る光景ですね!是非、ご覧ください!

こぼれ話

ラクダの毛刈りだけじゃない、武市萌美さんがインドで魅了されたものとは?

職人たちが代々受け継いできた
手仕事に憧れて

子どもの頃から手作りは好きで、アニメの主人公がトレーニングで使う‘養成ギプス’を作り弟と遊んだこともありました(笑)。ラクダの毛刈りもそうですが、インドには伝統的技法で、ものづくりをする職人さんがたくさんいます。番組ではカーペット織職人の知人をご紹介しましたが、私は織物のなかでもカディと呼ばれる手紡ぎ、手織りの綿に魅了されてしまいました。

カディは、マハトマ・ガンディーが「自分たちの着るものは自分たちで」‘Fabric of freedom!’を掲げインド各地に綿花栽培を推進し、広まったと言われています。手紡ぎの手織りの布はヨリやムラがあるのですが、だからこそ通気性がよく、洗うたびにとても柔らかくなって肌に馴染みとても気持ちがいいのです。私もインドへ通うようになってからは、滞在中はもちろん日本でも愛用しています。

ある時、ブロックプリントという木版を使用した染色方法を知り、その工房がたくさんある村を訪ねました。いくつかの工房を見学させて頂いたのですが、村の道路や、側溝を流れる水、はたまたこれは何?という謎の沼のようなもの…すべて鮮やかな赤やピンクの化学染料で染まっていて、衝撃を受けました。その時のショックが、草木染めブロックプリントの工房を立ち上げるきっかけとなりました。そして今、ラクダと共に私のライフワークとなっています。

武市さんの工房で作った服

武市さんの工房「dasos」の商品や販売については、インスタグラムにて告知しています。「インドのブロックプリントは、まるで機械プリントのごとく寸分の狂いなく木版を押すのが職人技とされています。でも私はわざとずらしたり、かすれさせたりするのが好きで、最初は失敗作だと言われました(笑)」(武市さん)。

「地球にも自分にも機嫌よくいられる服を
これからも作っていきたいです」(武市さん)

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