7か国語を操り
ローマの英雄たちも虜になった
知性と美貌の女王クレオパトラ
その素顔とは？

エジプトは、今回の取材で2回目。10年前に父方の祖母を訪ね家族で来ました。その時、祖母にいろんな所へ連れて行ってもらったのですが、ギザのピラミッドの印象は、とにかくどこもかしこも暑い（笑）！一番の思い出は、ホテルから見た朝日です。目の前のナイル川が真っ赤に染まって、私の後ろからゆっくり太陽が昇っていく…。子どもながらに感動して今でもはっきりと覚えています。今回メインで取材をしたアレクサンドリアは、以前訪れたカイロやルクソールと全く印象が違う海辺の街でした。そしてアレクサンドリアの方たちは、夕日が大好きなんです。毎日日没近くになると、海辺の人気スポットは地元の人たちで溢れます。夕日も美しかったですが、1日の終わりに夕日を楽しむという習慣を持っている皆さんがとても素敵だと思いました。

そしてクレオパトラについては、今回の取材でイメージが一変しました。これまでのイメージは聡明でちょっとダークな美女。ですが、エジプトで研究者の先生方のお話を伺い、再現シーンではクレオパトラを演じて、新たに生まれた彼女のイメージは、真面目な努力家でした。生まれ持っての才能や容姿もあったとは思いますが、それを開花させたのは彼女自身の努力だったと思います。そして彼女の努力の原動力はエジプトへの愛。クレオパトラは、エジプトの文化や歴史を何より誇りに思い、心から愛していた女王だと感じました。

クレオパトラの墓を探る
タップ・オシリス・マグナ遺跡へ
新発見の現場を
日本のメディア初取材！

アレクサンドリア中心部からほど近いタップ・オシリス・マグナ遺跡は、かつて神殿だったと言われている謎多き遺跡で、この遺跡にクレオパトラのお墓があるかもしれないということで注目されています。高速道路沿いにあるので、車の中から眺めた時は、あぁここかという感じだったのですが（笑）、遺跡に入ってからは感動の連続でした。原形を留める建物はほとんどないのですが、当時の最先端の技術を駆使して造られたことはわかりましたし、とても美しかったです。また有名な遺跡ほど、立ち入り禁止エリアがたくさんありますが、ここではどこでも立ち入りOK（笑）。観光客もいなくて、遺跡を一人占めしたような気分で、当時の様子を想像して楽しんでいました。

タップ・オシリス・マグナ遺跡に、クレオパトラのお墓があると信じて20年以上発掘調査を行っているのが、遺跡を案内してくださったキャサリン・マルティネス博士です。ドミニカ共和国出身の元弁護士という経歴もユニークですが、ご自身で「この世で私ほどクレオパトラについて考えた人はいない」とおっしゃるほどクレオパトラ愛に溢れた方。その情熱にはちょっと圧倒され気味でしたが（笑）、博士のピュアな想いが現地の方々の心を動かし、協力を得て多くの発見をすることができたのだと思います。そしてマルティネス博士なら世紀の大発見を成し遂げるんじゃないかと感じました。

マルティネス博士は、この遺跡でさまざまな発見をしていますが、それは遺物だけでなく遺跡の地下空間もあります。今回日本のメディアで初めて取材を許可して頂いた新たな発見も地下空間でした。それはどんな所だったのか番組でご紹介しますが、とっても想像をかき立てる空間なんです！番組をご覧になりながら、この空間は一体何なのか？クレオパトラはどんな風に埋葬されている？お墓はどこにあって、どんな状態になっている？と想像しながら楽しんで頂けると嬉しいです！

絆が一層深まった
濃密な3日間

祖母と一緒に撮影をしたのはエジプトロケの最終日で、撮影後スタッフの方たちは帰国し、私はその後3日間祖母の家に滞在しました。スタッフの方たちが去ったとたんに祖母が饒舌になって（笑）。毎晩夜中の3時くらいまで、これまでの人生や会えなかった10年間の話を聞かせてくれました。10年前と変わってないどころか、パワーアップしてましたね（笑）。そんな祖母と台所に立ち、共に食事をするのも楽しいひと時でした。私がモロヘイヤスープをリクエストすると、祖母は「えっ？そんな簡単なものでいいの？」と驚いていましたが、モロヘイヤスープは野口家みんなが大好きなスペシャルメニュー。祖母のレシピを母が受け継ぎ、家族が揃う時によく食べるんです。おばあちゃんのモロヘイヤスープも美味しかったです！日本と素材が違うからかいつものスープよりミルキーな感じがしました。これまでも祖母と連絡は取りあっていましたが、帰国してからはより頻繁にメッセージのやり取りをしています。祖母が常に私についてくる濃密な3日間で（笑）、より一層絆が深まったような気がしてとても嬉しいです！