日立 世界ふしぎ発見!

毎週土曜日 よる9時〜

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2021年8月21日 よる9時から放送

第1604回

加藤諒と行く
真夏のもののけ探し

ミステリーハンター

加藤 諒(かとう りょう)

1990年2月13日生まれ。静岡県出身。俳優。映画、ドラマ、舞台などに多数出演し、バラエティー番組などでも幅広く活躍。ミステリーハンターは今回が初めて。

日本には、全国各地に語り継がれてきたさまざまな妖怪伝説があります。人にいたずらをしたり驚かしたりするけど時には助けてくれることもある妖怪は、ちょっと怖いけれど親しみも感じます。そんなユニークで個性豊かな妖怪たちのふしぎを探るミステリーハンターを務めるのは、俳優の加藤諒さん!加藤さんが発見したものとは?

語り継がれてきた妖怪伝説の数々
加藤諒さんが向かったのは妖怪の聖地
そして妖怪が最も集まる場所!?

僕の出身地、静岡県には「だいだらぼっち」(注:でいだらぼっち、などとも言われる巨人法師)伝説があります。ですが祖父母から話して聞かされたというようなことはなかったですし、子どもの頃に妖怪が怖かった記憶も…ないですね。怖かったと言えば、都市伝説の口裂け女かな。ちょうど僕が小学生くらいの頃に流行っていて、日が暮れた塾の帰り道などは、出るんじゃないか!?と怯えていました。その影響か、実は今も人気のない夜道を一人で歩くのは苦手なんです(笑)。

猫鬼の頭蓋骨!?

これまで僕にとって妖怪伝説は、昔話のひとつという認識でしたが、今回取材をした所では、地域のみなさんが妖怪を身近に感じ、大切に語り継いでいらっしゃると感じました。日本の妖怪の魅力と共に、妖怪を身近に感じて生活することの魅力を教えて頂いたと思います。広島県三次(みよし)市は、江戸時代の妖怪物語の傑作と言われる「稲生物怪録(いのうもののけろく)」が生まれた場所で、主人公は16歳の少年、稲生平太郎くん。平太郎くんは実在の人物で、物語は彼の体験談がもとになっていると言われています。僕は初めて知るお話でしたが、奇想天外な妖怪と妖術、そして結末がとても面白かったです。どことなく現代の異界ファンタジーやゲームなどと似ていると感じたのですが、実際に数々の作家やクリエーターの方たちに影響を与えているそうですよ。

「稲生物怪録」の生まれた広島県三次市は
妖怪の聖地と言われている

2019年にオープンした
三次もののけミュージアム

また、徳島県三好市の大歩危(おおぼけ)渓は、日本で一番妖怪の集まる場所と言われている所です。大歩危駅で、おじいちゃんおばあちゃんとお会いしたのですが、僕が妖怪の取材で来たとお伝えすると「私らが妖怪!妖怪80歳!」とおっしゃられて(笑)。取材前からワクワクしました。そして大歩危はとても豊かで美しい自然を満喫できる所で、河童がいそうな渓流!などと感動しました。でも夜になったら都市では経験できない闇と静寂が訪れると考えると…やっぱり怖いですね。この地域には、とてもたくさんの妖怪伝説があるのですが、今も本当に妖怪が出るかもしれないという雰囲気が残っている所でもあると感じました。

この地で生まれた妖怪の
木像などが所々に出現!

何と!60種類、200以上の
妖怪にまつわる話があるという大歩危峡

さらに世界的に知られた妖怪博士
井上円了の故郷・新潟県長岡市へ

井上円了先生の取材は、今回最も印象に残っているひとつです。円了先生は、明治時代に全国の妖怪伝説を取材して、それを検証し、科学的に解明していった方です。ですが妖怪の正体を暴く!みたいなスタンスではなくて(笑)、誰よりも妖怪を愛しているからこそ、なぜだろうととことん探求なさったのだと感じました。そして先生は優れた研究者であると同時に、お人柄も魅力的なんです。円了先生が蒐集された妖怪グッズを見せて頂いたのですが、どれも粋で素敵!愛用の煙草入れは天狗のモチーフで、先生が煙草を吸う度に多くの方がそれを見たでしょうから、自ら’妖怪先生’をアピールなさっていたんでしょうね(笑)。円了先生の故郷、新潟県長岡市では、小学校で先生の功績を学ぶ授業があるそうです。郷土の偉人として敬愛され続けている円了先生の残した言葉の数々には僕も感銘を受けました。

井上円了の打ち出した「妖怪学」
その神髄は探求することの大切さ

円了に扮した加藤さん

今は妖怪というと、人に危害を加えるモンスターというイメージを持つ方が多いかもしれません。でも必ずしもそうではないということを、お伝えできればと思います。そして番組をご覧になって、妖怪を身近に感じて生活することは楽しい!と感じて頂ければとても嬉しいです!

こぼれ話

近年オープンしたばかりの素敵なミュージアムの情報をご紹介します。

2019年妖怪の聖地・三次市にオープン!
妖怪博物館

民俗学者であり、妖怪研究家でもある湯本豪一氏の妖怪にまつわる蒐集約5000点を所蔵する妖怪博物館。日本の妖怪、もののけが大集合しています!また稲生物怪録の絵巻や本なども展示され、日本を代表する妖怪伝説の魅力を堪能できます。

●湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)
住所:広島県三次市三次町1691-4
開館時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
休館日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29〜1/3)

2020年11月に美術・博物・図書を融合した
美しい文化施設が埼玉県所沢市に誕生!

「角川武蔵野ミュージアムは、とても素晴らしい施設でした。建物の外壁に飾られた鳥のモチーフは、コロナ時代の新たなアマビエになるようにとの想いを込めて制作されたと聞き感動しましたし、その素材が皮だと知って驚きました。雨が降ったりしても大丈夫なんですね(笑)。固定概念にとらわれず、自由で楽しいこのミュージアムを象徴するモチーフだと思いました。館内は本当に見所満載ですよ。高さ8メートルの巨大な本棚のある図書館では、プロジェクションマッピングが上映され、読むだけじゃなく観ても楽しい図書館なんて初めてでした!また取材では、荒俣宏先生とご一緒したことも印象的でした。最初は先生の存在感の大きさに圧倒されてしまったのですが(笑)、とても貴重な体験でした。ミュージアムには、荒俣先生の秘宝館もあり、妖しく不思議なものがたくさんあって面白いですよ!」(加藤諒さん)。

●角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
営業時間:日〜木曜10時〜18時(入館は17時30分まで)
     金・土曜10時〜20時(入館は19時30分まで)
休館日:毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は翌日)

※2021年8月現在
新型コロナウイルスによる営業状況等、最新情報は事前にご確認ください

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