JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス

JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス 毎週(木) 午後11:00〜11:30

JNN系列の記者が、ニュースで伝えきれない「こだわり」を込めたドキュメンタリー番組。そこからは日本の、世界の、人間の、さまざまな知られざる側面が見えてきます。ニュースのその後はもちろん、歴史も文化も、記者たちの視点でとらえたドキュメンタリーをお届けします。

2021年5月6日放送

核と民主主義 ~マチを分断させたのは誰か~

地上波2021年3月7日OA
制作:HBC北海道放送
ディレクター:幾島奈央

【内容】
住民の代表であるはずの議会が、住民の声を聞くことを否決した。

北海道・寿都町。日本海の強い風を活かした国内初の町営風力発電所が、まちの大きな財源だ。しかし、約2900人の人口は、今後も減少が見込まれていて、財政の見通しも厳しい。

去年8月、町長が、「核のごみ」の最終処分場の受け入れ調査への応募を検討していると明らかにした。突然全国の注目を浴び、混乱した住民は、分断していく。小さなまちの密接な人間関係の中で、多くの住民は声を潜めた。その中で、一部の住民が、行政に任せきりだったこれまでを反省し、声を上げ始めた。

「肌感覚では賛成が多い」と突き進む町長に、反対派の住民たちは、「正確な民意を反映してほしい」と住民投票を求める。しかし、議会はあっさりと否決した。住民の不安を置き去りにして、去年11月、文献調査は始まった。

冷たい風に晒される冬。報道陣もいなくなり、閑散としたまちで、町議会議員の解職請求を求め署名活動をしたり、話し合いを求め続けたりする住民たちがいた。

10年前に起きた東日本大震災でいったん止まった原子力発電所。しかし「核のごみ」の最終処分地が決まらないまま、全国で再稼働が進む。

国の原子力政策にとって重要な核のごみの処分が、国民的議論がまったく進まないまま北海道の過疎のマチの問題として進む。しかも議会は住民の声を聞こうともせず、住民どうしの分断が深まったまま。

「核のごみ」問題を通して民主主義のありようを問う。

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2021年5月13日放送

生きるということ 小椋佳の世界50年

地上波2021年3月21日OA
制作:TBSテレビ
ディレクター:佐古忠彦

【内容】
シンガーソングライター・小椋佳。今年、喜寿の年。

デビューアルバムのリリースから50年、ラストアルバム「もういいかい」を発表した。死を意識したものや人生を振り返る歌が多く収められた中で、力強く「生」をまい進するよう歌い上げる楽曲がある。「生きろ」。3月に公開されたドキュメンタリー映画「生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事」の主題歌だ。

「耳そばだて 聞こう 命の声 聞こえるよね 命はいつも生きようと歌う」

「胸の底の命の声を裏切ることなく あらん限り 力尽くし 生きろ」

これまで2000曲を世に送った小椋にとって、貫かれたテーマがあった。「いかに生きるのか」、生のありようである。その背景には、自身が命と向き合った日々があった。

若き日から綴っている日記が、歌創りの種になっていった。その日記に、あるきっかけで登場するようになった「小椋佳」の名。そこから表現者としての道が開かれていった。運命の原点も訪ね、「生」に向き合った小椋佳の世界50年をたどる。

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