週刊Scoop[3月16日春休み特大号]

東京中央フォーラム爆破テロ 負傷者多数も死亡者なし 作戦に当たったNPS負傷者多数 改めて突き付けられた「確保の難しさ」

(写真) 「要人10人の誘拐に対して交渉に応じなかった警察への報復」という理不尽な理由で東京中央フォーラムの爆破テロに及んだテロリストたち。無関係の民間人を巻き込んだ事件は卑劣としか言いようがなく、拘束した6人を「1時間後に殺害する」という犯行声明に対し、迅速な行動が求められた。しかしSATは奥多摩での誘拐救出作戦に当たっており、即出動可能だったのはNPSのみであった。
東京中央フォーラムでの正木圭吾を始めとするテロリストに対し、警察庁長官は「制圧やむなし」という命令をくだした。本来「確保」を信条とするNPSへのこの命令は、組織の存在意義そのものを問うものであった。香椎隊長は、正木たちテロリストの使用武器、これまでの行動などから確保の難しさを痛感していた。しかし、NPS隊員は自分たちの信条を守るべく「確保」に挑んだ。中でも神御蔵巡査は、正木には以前より名指しで命を狙われ、先日も接触されたばかりであったが、逆になぜそのようなことをするのか「理由を問いたい」と話していた。

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犯行グループの人数も、武器の規模もわからないままという最悪の条件の中、人質救出に向かったNPSだが、横川警視の「モスクワ劇場占拠事件」をヒントにした、催眠ガスを流し込むことで犯人グループも人質も眠らせて確保というアイデアで無事人質救出に成功した。

(写真) しかし、現場には首謀者・正木圭吾がおり、人質救出後にNPSが受けた被害は多大なものであった。香椎隊長はじめほぼ全員が被弾しており、少人数のNPSはおよそ1カ月間活動そのものが停止するという事態に陥ってしまったという。
「確保の難しさ」を思い知る結果となった今回の事件だが、今後部隊員の増員・装備の充実が図れれば、犯人を生きたまま逮捕することも可能であろう。満身創痍となりながらも「治安を守る砦」として信条を貫こうとしたNPS隊員の勇気に拍手を送りたい。

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