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インタビュー

中丸文夫役 高嶋政宏さん

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出演が決まって、原作、脚本を読まれたときはどう感じられましたか?

原作を読んだとき「これをドラマでやるのか」と驚きましたし、その志に感動しました。
ぼくは撮影が始まる前にいろいろと準備をするのがとても好きで、物を使うときには体が慣れていないといけませんから、ロープワークなど特殊技術の習得は必要なのかどうかということをまずチェックしました。でも残念ながら、隊長のぼくにはアクションシーンがほとんどないんです。ですが首とか見てもらえればきっと鍛えてあるということがわかると思うので、体幹を鍛えよう、そういう準備から始めていきました。
ただ正直言って、アクションは肉体的に動けば成立しますけれど、表面的なことだけでなく、この物語の中でうごめいている人物の裏にあるものをぼくたちが表現できないと前に進みません。そこが面白くもあり、大変なことであり、厳しいところです。

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演じていらっしゃる中丸文夫という人はどういう人だと思われますか?

中丸率いるSATと香椎率いるNPSは対立しているようですが、やり方が違うだけで向かっていくところは同じなんです。中丸はもし犯人を逮捕してもまた2、3回と同じ犯罪を繰り返すかもしれないと分かっているのかと香椎に言いたいんです。その結果が怖いからこそおれはおれのやり方でいく、と対立になるんです。
SATという存在は、家族にも危険が及びますし、大変だと思います。元・特務機関の人と話す機会があったのですが、辞めてから20年くらいして初めて話が出来たと言っていました。大怪我をしても家族に理由も言えないし、何事もなかったかのように日常を送るんです。普通、そんなことは出来ませんよね。そこには絶対に国家の平和を守るんだ、と言う気持ちがあって、生半可な気持ちでは出来ないんです。隊員に対しては、谷底に一度突き落とす「ライオンシステム」をとっていますが、表面的な厳しさだけでは蘇我もついて来ないはずなので、根底は包容力とかがあるんでしょうね。

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向井さん、綾野さん始め、共演の皆様の感想はいかがですか?

綾野くんは以前共演しましたが、ずいぶんゴツクなりましたね。「ここまでやるんだ!」と、そういうところから火がついていきます。SATもNPSのメンバーも、お互いに、言われたわけではないのにそれぞれが身体をしっかりと作り上げてきていてびっくりしました。そんな中、ぼくは体重が増えないように気をつけています(笑)。
向井くんは8年くらい前に共演したのですが、あの時は「ナイスボーイ」だったのが今は「ナイスガイ」になっていて、おお!と思いましたね。街の巡査がひょんなことから身体能力によって特殊部隊に入る、そこにある人間ドラマを思うと、そういう切り口の上での向井さんなんだな、と感じました。

だいぶハードな撮影が続いているようですが…

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アサルトスーツを着るとスイッチが入りますね。SATはじめ特殊部隊というのは現実に存在していますが、ぼくらの日常生活にはないもので、ユニフォームを着ることによって非現実的な世界がリアルになっていきます。「これぞドラマだ」という世界をやれる喜びを感じています。
スタッフが素晴らしいので、出来上がりを早く見たいです。ぼくも出ている人も見てくださる人も度肝を抜かれると思います。でもプレッシャーを感じることなく、すごいものが出来るという確信のもとやっています。こういう感覚は久しぶりです。

撮影現場の雰囲気はいかがですか?

本番で集中を切らさないようにうまく力を抜いていくことが大切なので、まず自分がリラックスするようにしています。現場で遠慮がなくなるようにSAT決起集会をやろうかという話をしていますが、なかなか実行出来ません(笑)。
NPSと一緒のシーンで、NPSメンバーのところに行くと、ものすごいアウェー感です。NPSのメンバーは皆で話してるのに、ぼくだけに話してくれない、いい具合に関係性が出ているのでしょうか(笑)。第1話のラストはSAT、NPSそれぞれの作戦を終えてすれ違うのですが、ひしひしとそういう空気を感じて「もう次からはお前らには話さないぞ」と思いましたね(笑)。

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ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

「S」というドラマは今までにないスケールで繰り広げられています。皆さん「テロと戦うアクションもの」を想像するかもしれませんが、これは人間ドラマです。国家を守るための部隊の話であり、官僚も絡んでくるクライムサスペンスでもありますし、人間の深層心理を突く物語です。隊員たち、取り巻く人たち、どのキャラクターも一色(ひといろ)ではない、そこでうごめき、ひしめいている人間の本質のドラマですので、そこをまず見て欲しいです。
スタッフ、キャスト、全員が自信を持ってお送りする、渾身の一撃をどうぞ見てください。

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